海底の動物-ベントスの世界-

海底の動物-ベントスの世界-

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商品詳細

平成9年8月2日〜9月28日に開催された「第24回特別展 海底の動物-ベントスの世界-」のガイドブック です。



はじめに
水に漂う生物がプランクトンと呼ばれるのに対して、水底にすむ生物はすべて-巨大なものからミクロ
なものまで、動物でも植物でも-ベントスと称されています。  
海底には浅い所から深い所、あるいは岩礁・砂地・泥場など変化に富んだ環境があり、いろいろなベン
トスがそれぞれの環境に適応し、陸上とはまったく異なったやり方で自分たちの生活の営みを続けてい
ます。しかし、ほとんど手さぐりの調査しかできない水底では、今も未知の種類が多く残され、また水
産資源として利用されているものを除けば、生態まで詳しくわかっている種類は僅かです。地球上の生
物的自然の重要な構成要素であるベントスの探究は、まだまだこれからであると言ってよい、魅力のあ
る研究分野です。  
当館では、日本沿岸各地の海底に産するの動物標本の収集を行なっています。また、地元大阪湾のベン
トスについては、長期の調査と資料収集を続けてきました。  
本特別展では、このような収蔵資料を中心に、日常ほとんど見る機会のない海底の動物標本を、まず分
類学上の配列に基づいて紹介します。そして、耳慣れない「ベントス」についての説明の後、海底環境
とベントスとの関係について解説します。また、後半では駿河湾、紀伊半島、大阪湾など海域別のコー
ナーを設け、それぞれに生息する主要な種類を展示します。さらに、海洋科学技術センター、国立極地
研究所をはじめとする関係機関のご協力を得て、最近相次いで新知見がもたらされている深海底および
極地のベントスの標本・資料を披露します。  
この特別展を機会に、ベントスが皆さんにとって身近な存在となることを願っています。


目次
Ⅰ.ベントスの世界

 1.プランクトン・ネクトン・ベントス  
 2.大小のベントス   
      1)メガロベントス   
      2)マクロベントス   
      3)メイオベントス  
 3.ベントスとして生きる   
      1)食べる   
      2)身を守る,住む   
      3)子孫を残す,ふやす  
 4.ベントスの住み場所   
      1)岩礁   
      2)磯(岩礁性潮間帯)   
      3)サンゴ礁   
      4)砂底   
      5)砂浜(砂質潮間帯)   
      6)泥底   
      7)干潟  
 5.水域の環境問題とベントス   
     1)生物が豊富な閉鎖性水域   
     2)閉鎖性水域の富栄養化と有機汚濁   
     3)ベントスによって環境を診断する

Ⅱ.海底の動物さまざま  
 1.海綿動物  
 2.刺胞動物  
 3.扁形動物  
 4.顎口動物  
 5.紐形動物  
 6.曲形動物  
 7.袋形動物群  
 8.軟体動物   
    1)カセミミズ綱   
    2)ヒザラガイ綱   
    3)腹足綱   
    4)頭足綱   
    5)ツノガイ綱   
    6)二枚貝綱  

 9.環形動物  
10.有鬚動物  
11.ユムシ動物  
12.星口動物  
13.緩歩動物  
14.節足動物   
   1)カブトガニ綱   
   2)蛛型綱   
   3)ウミグモ綱   
 4)甲殻綱  
15.箒虫動物  
16.腕足動物  
17.苔虫動物  
18.棘皮動物   
  1)ウミユリ綱   
  2)ヒトデ綱   
  3)クモヒトデ綱   
  4)ウニ綱   
  5)ナマコ綱  
19.半索動物  
20.脊索動物   
  1)ホヤ綱   
  2)ナメクジウオ綱   
  3)無顎綱   
  4)軟骨魚綱   
  5)硬骨魚綱
Ⅲ.各地の海底の動物  
 1.大阪湾   
  1)地形と水質,底質   
  2)メガロベントス   
  3)マクロベントス  
 2.紀伊半島沿岸  
 3.駿河湾   
  1)駿河湾   
  2)駿河湾の深海底曳網   
  3)駿河湾の深海魚   
  4)海底で生活する深海魚 5)海底で生活する一次性深魚  
4.日本海  
5.深海の化学合成生物群集  
6.極地のベントス
Ⅳ.文献


□B5版38頁